株式会社サヤトレの増田です。
本日は「株価指数の歪み」をテーマにお届けします。
有料版メルマガ「サヤ取り通信プレミアム」にて書こうかと思いましたが、特別に無料版にてお届けします。
昨日(2020/2/12)の日経平均株価は、175円(0.74%)高と値を上げました。
しかしその一方でもう一つの東証株価指数(TOPIX)は小幅下落です。
東証1部全体を見ても値下がり銘柄の数の方が多い一日となっています。
つまり株式相場全体が下がっている中で日経平均株価は、上がっているのです。
日経平均は、上がっているのに自分が持っている銘柄は下落している。
そんな印象を受けた投資家は多いでしょう。
なぜこのような現象が発生するのでしょうか?
その理由を知るためには、日経平均株価を算出する公式について理解する必要があります。
日経平均株価とTOPIX
2つの株価指数の算出公式は、異なります。
日経平均は、日本経済新聞社によって選ばれた225銘柄の株価を全部足して225で割ったようなイメージです。
厳密には、株式分割などがあるので除数という数値を使っていますが算出式は「株価の単純平均」です。
もう一つのTOPIXは、東証一部の全銘柄の「時価総額の加重平均」で算出した株価指数です。
加重平均とは、それぞれのデータの重要度に合わせて計算した平均です。
平均値と言っても色んな種類の平均の出し方があります。
私個人は、算出式の計算方法から考えた場合、株式相場全体の上げ下げを正しく表しているのは、TOPIXだと考えています。
とは言えお金を儲けたい投資家目線からすれば、このような株価指数の算出式による歪み(サヤ)は、投資でも儲けるチャンスであると考えています。
市場ルールの特徴に気付いた人が投資チャンスある方が楽しいでしょう。
日経平均の算出式のルールを利用した投資戦略で儲けている投資家は、沢山います。
日経平均とTOPIXのサヤを表示したNT倍率でも使う事が出来ますね。
■NT倍率チャート(日経平均とTOPIXのサヤチャート)
⇒ https://investars.jp/multichart.php?q=1101:1102&term=1
日経平均は、単純平均という特性を利用すれば、特定の個別銘柄を売買する事で日経平均の価格を比較的簡単に変動させる事も可能です。
例えば昨日の例では、相場全体が下落する中で日経平均が上がった理由は、(9984)ソフトバンクGの株価が大きく値上がった事が理由です。
昨日ソフトバンクは、決算発表にて+11%と大きく上げています。
日経平均を動かしやすい(寄与度)個別銘柄が大きく上げ下げすると日経平均は、動くのです。
全体の相場が下がっていてもファストリやソフトバンクのような寄与度の大きい銘柄が上がれば、連動して日経平均は、上がります。
日経平均を動かしやすい銘柄としては・・・
9983 ファーストリテイリング
9984 ソフトバンクグループ
8035 東京エレクトロン
6954 ファナック
9433 KDDI
上記の5銘柄で日経平均の構成率は、24.44%もあります。
日経平均採用銘柄の225銘柄のうち上位5銘柄で約25%の力を持っているのです。
中々、歪んでる(サヤがある)と思いませんか?
つまり資金力ある投資家は、日経平均株価を意図的に上げたいと思えば、上記のような寄与度の高い銘柄を買えばいいのです。
反対に日経平均を下落させたいと思えば、信用売り(ショート)すれば、下がります。
株価指数としては、TPOIXを動かす事は、中々難しいですが日経平均であれば、個人の資金力でも寄与度の高い銘柄を売買すると動かす事が出来る株価指数なのです。
このような金融知識を知っていると投資する際のヒントやアイデアは、色々と思いつくのではないでしょうか?
日経平均の寄与度の高い銘柄の平均とTOPIXとの乖離をデータで確認すれば、日経平均を上げたいのか?下げたいのか?
何かしら日経平均のトレンドを予想出来る法則を発見する事が出来るかもしれませんね。
もし株価指数のトレンドが分かれば日経平均とTOPIXの両建ても上手くいきます。
【参考記事】
http://sayatore.com/blog/?s=NT%E5%80%8D%E7%8E%87
日経の動きが分かれば、派生して色々と投資戦略が組めるのです。
以上、資産運用のヒントになれば、幸いです。
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Source: サヤトレ