株式会社サヤトレの増田です。

本日は「10年前の証券会社」をテーマにお届けします。

私は、今から10年前の2010年総合証券会社に勤めておりました。

総合証券会社とは、ネット証券とは違い駅前に支店があり、投資家に営業員がついて色々と相談や銘柄推奨してくれる証券会社です。

いつか退職して起業しようとは、思いつつもまだ準備中だった頃です。

当時は、まだ若手で株式市場を長く見てきた訳ではなく相場経験も浅いです。

証券業界で長く勤める上司や先輩社員の営業トークを真似して株式や投信を個人のお客にお勧めして販売しておりました。

10年前に証券会社社内で販売していた主力の株式個別銘柄や投資信託の価格は、現在どうなっているのでしょうか?
(本日のテーマです)

またそれらの金融商品の価格が上がると煽り個人投資家のお客に販売していた証券会社の方達は、今どうなっているのか?
(プレミアム版でお届けします)

10年経過した私は、その答えを知っています。

本日は、お伝え出来る範囲で私個人の意見を交えてお届けします。

まず結論として、10年前に証券会社員が煽って販売していた金融商品や個別銘柄の価格ですが10年後の価格を確認すると・・・

損しています!

熱くならずに冷静に考えましょう。

株価は、単純に上げ下げで考えてはいけません。

過去10年間の平均的な相場全体の動きと比較して相対的に考える事が重要です。

10年前の2010年に推奨していた個別銘柄の価格が10年後の2020年現在に価格が下落している。

これは、実はかなり凄い事なのです。

なぜならば、この10年間で日本の株式相場は、大きく上昇し続けたからです。

■10年間の株価チャート
http://sayatrade.co.jp/img/mag/20200123.png

■株価比較ツール
https://sayatrade.com/feature/comparison.php

10年間の株価上昇率

■日経平均 +134.21 %
■TOPIX +92.66 %

全体の株価が2倍以上に上がる相場の中で下落している銘柄は、実質株価として物凄い大きな下落を意味しています。

そんな大きく下落している銘柄を推奨販売していたのは、確率の低いある意味とても凄い事と言えるでしょう。

具体的に何の銘柄やねん?

そう思う方も多いと思うので代表的な銘柄をご紹介します。

それは(6674)ジーエス・ユアサです。

投資歴10年以内の方は、ご存じないかもしれません。

しかしこのGSユアサは、10年前の株式市場では、非常に有名な銘柄でした。

GSユアサ名前を聞かない日は、ありません。

ユアサの1日の売買代金がトヨタを抜くなど狂ったように株式市場で売買されていたのです。

GSユアサは、自動車用のバッテリーを作っている会社です。

10年前の証券会社では、毎日のように営業マンがこれから車はガソリン車ではなく電気自動車になる。

そうなるとGSユアサのバッテリーが全ての自動車に搭載される事になります。

今がGSユアサに投資するチャンスです。

上記のようなイメージでGSユアサをお勧めしていました。

当時の営業トークで一番煽っていた先輩社員がこんな煽りをしていました。

■悪徳営業マン
「えっ!まだそんな株持ってるんですか?それは、まずいですよ!5年後には、もうガソリン車なんてもう走っていません。全部電気自動車になるので、自動車株は売却して全部GSユアサにしましょう。」

当時は、これくらい煽って販売する営業も普通にいたのです。

10年経った今、どうでしょうか?

確かに世界的な自動車の流れは、電気自動車に切り替わっています。

しかし日本では、まだほとんどの車がガソリン車です。

あなたが乗っている車もガソリン車ですよね?

証券会社に勤めている人は、毎日、新聞を読んでいるので世界的な流れやトレンドなどの情報はキャッチしています。

しかし世界がそうであったとしても日本で実際に、そのようなトレンドに切り替わるスピードは、非常に遅く実際に株価が上がるとも限りません。

10年経過しても日本は、電気自動車に乗っている人は、少数でほとんど変わりません。

そして高値水準にあるGSユアサの株式を推奨販売しているので証券会社で担当者のアドバイスを受けて投資していた方は、10年間株価は、右肩上がりに上昇し続けた中でGSユアサの株式を塩漬け状態で損しているのです。

10年経過しないと分からない結果論ですが証券会社の社員が熱心に販売推奨してくる上がっている銘柄に投資する事は、リスクが高いです。

後だしジャンケンになるようですが私個人は、GSユアサの株は、上がり過ぎと思い自分が担当している顧客に1株も販売をしていません。

本日私がお伝えしたい内容と結論をまとめます。

(まとめ)
証券会社推奨の銘柄は、長期的に下落する可能性が高い

販売手数料が目的なので、買ってもらいやすい既に上がっている高値圏の銘柄をお勧めしてくるので。

証券会社の人は、未来予測する力はある

世界的に電気自動車の普及などは、実際に正しいです。

しかしそれが日本に適応させるかどうかなどは、考えず5年後には、転勤しているので答え合わせが出来ません。

営業成績のために話を盛って煽ってくる可能性が高いです。

未来予測の方向性は、正しくても10年経っても変わらない

世の中変化のスピードは、少しずつ加速しておりますがそれでもまだまだ遅いです。

今後、自動車が自動運転になる。自動車が空を飛ぶ。

そういった方向性は、正しいです。

しかしガソリン車が電気に変わるだけでも10年間で全く普及しないくらいのスピードです。

日本は、変化のスピードが遅いので投資タイミングを重要に考えましょう。

最後に本日の結論をお伝えします。

人が推奨する銘柄に投資するのではなく自分で考えた判断で投資しましょう。

証券会社員のおすすめする銘柄に投資しても儲かる可能性は、低いです。

むしろ損する可能性が高い訳なので空売り(ショート)する方が儲かる可能性は高いと思います。

実際に中にいて働いていた元証券会社員の意見です。

皆様の資産運用のヒントになれば幸いです。

Source: サヤトレ

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